2011年07月28日

世界の水産業に内在する不誠実さと無知をこえて

世界の水産業の問題点をごそっと扱った一本。

Pauly, D. Beyond duplicity and ignorance in global fisheries. Scientia Marina 73, 215-224 (2009).

科学、という観点からは別に新規のことを言っているわけではないが、きちんと漁業を管理しましょう、という立場の人からしたら読んでおいて損はない論文。むしろ必読かもしれない。世界の水産業でいかにごまかしや都合のいい美辞麗句が並びたてられ、枯渇がいかにして起こってきたかを包括的に書いている。中でも、水産資源や多様性の枯渇につながった三つの要因として、
1.中国の過剰漁獲がFAOの統計に入ったことで漁獲量が上昇しているというミスリードをしてしまったが、実際には(中国を除いた)世界の漁獲は徐々に減少していること。
2.アメリカやEUでは今でも単位生産量が上昇しているということ。これはつまり発展途上国から吸い上げているということ。
3.(これが最も強い要因)不確実を盾に何ら対策を行ってこなかったこと。不確実性とは予防的に何かをしないことの意味では使われない、と述べている。

その他にも補助金のせいで古い体制が生きながらえてしまって枯渇が起こったとか、面白いことが一杯書いてあっていい刺激をもらいました。
ラベル:水産資源
posted by しばきん at 22:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月27日

クジラに学ぶ

クジラに学ぶ―水産資源を巡る国際情勢 東京水産大学第22回公開講座 (東京水産大学公開講座 (第22回))

いわゆる順応的管理という野生動物の管理方策があります。ポイントは(おそらく)モニタリングを継続して行なうことで常に管理の内容にフィードバックが行なえる点なのですが、その順応的管理を育てたのは実はクジラの資源管理です。改訂管理方式(RMP)と言われていますが、自分はなんとなくの概念しか分かっていなかったので、ちゃんと勉強しようと思い、いくつか本を買いました。その一冊。

RMPの章では、開発に関わった著者が書いているため非常に臨場感があります。数式は全く出てこず、改めて概略を掴むには良かったです。分かったつもりになっていた点も多々ありました。また、クジラに学ぶ、ということで章の終わりには普遍的な意見も述べられています。クジラの利用文化や乱獲の歴史の背景などの点でも非常に勉強になりました。
ラベル: 書評 水産資源
posted by しばきん at 18:37| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月26日

二項分布からのポアソン分布の導出と幾何分布のお勉強と確率母関数からの平均と分散の導出

以前も二項分布ポアソン周りは計算したのだけれど、もう一度おさらい。それから幾何分布の勉強と、確率母関数の微分を使った平均値と分散の導出の練習。微分で平均値とか分散が出るなんて不思議。すごいな、数理統計。感動する。

> ###強度の決定###
> lambda <- 3
>
> ###適当な数値列と階乗計算###
> x <- seq(0, 10)
> x2 <- NULL
> for (i in 1 : length(x)){
+ x2[i] <- gamma(x[i]+1)
+ }
>
> ###ポアソン分布###
> fx_lambda <- ((lambda^x)/x2)*exp(-1*lambda)
>
> ###積分して1になることを確認(まぁ10までなのできちんと1にならない)###
> sum(fx_lambda)
[1] 0.9997077
>
> ###プロットして確認###
> #pdf("Poissons.pdf")
> plot(x, fx_lambda, main="Poisson distributions")
>
> ###既成関数とも一致###
> points(x, dpois(lambda=lambda, x), cex=1.3, pch=0)
>
> ###二項分布からのポアソン分布導出###
> prob <- 0.000001
> size <- lambda/prob
> points(x, dbinom(x=x, size=size, prob=prob), col=2, cex=2)
> legend(7, 0.2, c("Po_hand", "Po_R", "Po_bin"), col=c(1, 1, 2), pch=c(1, 0, 1))
> #dev.off()

Poissons.jpeg

ここから幾何分布と確率母関数を微分してからの平均値と分散の導出。

> x <- seq(0, 20)
> p <- 0.1
> fx_p <- p*((1-p)^x)
>
> ###確認と既成関数###
> plot(x, fx_p)
> points(x, dgeom(x=x, prob=p), cex=2, col=2)
> legend(15, 0.1, c("G_hand", "G_R"), col=c(1, 2), pch=1)
>
> ###幾何分布の確率母関数###
> func_g <- function(t, p) {
+ p/(1-t*(1-p))
+ }
>
> ###一階微分###
> func_g_d <- deriv(~ p/(1-t*(1-p)), c("t"))
> func_g_d1 <- function(t, p){}
> body(func_g_d1) <- func_g_d
>
> ###微分からの平均値###
> attr(func_g_d1(t=1, p=p),"gradient")
t
[1,] 9
>
> ###教科書に書かれている平均値の定義からの計算と一致###
> (1-p)/p
[1] 9
>
> ###高階微分のための関数(R-tipsより)###
> DD <- function(expr, name, order = 1) {
+ if(order < 1) stop("'order' must be >= 1")
+ if(order == 1) D(expr, name)
+ else DD(D(expr, name), name, order - 1)
+ }
> func_g_d_e <- expression(p/(1-t*(1-p)))
> func <- function(t, p) {}
> body(func) <- DD(func_g_d_e, "t", 2)
>
> ###二階微分による分散###
> func(t=1, p=p) + (1-p)/p -((1-p)/p)^2
[1] 90
>
> ###教科書に書かれている分散の定義からの計算と一致###
> (1-p)/(p^2)
[1] 90
ラベル:統計学 数学 微分 R
posted by しばきん at 09:15| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月25日

アブラゼミの羽化

後輩が持ってきてくれたセミの幼虫が自宅で羽化してくれた。感動した。
下の写真はクリックした先でもう一回クリックすると大きくなるようです。

19:12
もらってすぐ。カーテンにしがみついて、なんかもぞもぞ同じ所で動いている。最初は一番上まで登ったのに、またそのまま一番下まで降りて、それからまた登ってカーテンの中腹ちょい下で止まった。
no-title

20:10
ご飯食べ終わってカーテンをそろっとめくったら羽化が始まっていた。
CIMG1224.JPG

20:17
カーテンの裏側を良く見えるようにこちらに向けて固定した。落ちそうなのに落ちないのが不思議。
CIMG1230.JPG

20:27
足が乾いたのかサナギにしがみついてお尻を抜こうとしている。
CIMG1241.JPG

20:29
お尻が抜けた。
CIMG1244.JPG

20:33
すぐに羽がぴんと伸びてきた。
CIMG1252.JPG

21:25
後ろの羽に色が付いてきた。
CIMG1262.JPG

23:59
結構色が付いてきた。
CIMG1265.JPG

翌朝7:20
すっかり乾いて色も付いた。このあとタオルにくっつけて外にタオルごと出しておいたら、知らない間に飛んで行った(下に落ちていなかったから飛んだものと思われる)。感動した。ありがとうございました。
CIMG1267.JPG
posted by しばきん at 14:12| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月24日

piとeの話



ふとしたきっかけで立ち読みを始めたら止まらなくなって衝動買いした一冊。ひたすら、ひたすらに美しい式に心が洗われる。なかでも美しいのはやはりオイラーの恒等式。自然対数、虚数、円周率全く異なるように見えるそれらに1を加えると0に収束するのは不思議でしょうがない。色んなところに使われている自然対数、虚数、円周率にそのような関係があることが、まことにうつくしい。

もう一つすごいと思ったのは、iのi乗。それが何を表すのかということに、ひたすら衝撃を覚えた。何分もぼおっとしてしまった。

いわゆる数学の教科書のように文章と式が入り乱れている文体ではなく、左ページを丸々数式に割いているため、余白がすごい。そのため、じっくりと数式を鑑賞することができ、また本の後半にあるそれらの数式の証明が非常に簡潔で直感的である。高校数学の問題集を解くよりはるかに簡単な数式だし、なにより、美しい。
ラベル:数学 書評
posted by しばきん at 10:55| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。