2011年12月16日

つきあい方の科学と理系という生き方

つきあい方の科学


研究室の門弟の方から進められて衝動買いしたゲーム理論の本のうちの一冊。自分のボスの訳本だということはあとで知った。つきあい方というと、どうも恋愛関係を想像してしまうが(それにももちろん応用できるだろう)、それだけでなく生物の個体間の相互作用についての本。特に囚人のジレンマなるものを中心に据えている。大変分かりやすく理論が説明されており、すっと胸に落ちてくる。面白いのは、性格の異なる仮想プレーヤーを世界中の生態学者、ゲーム理論の専門家、社会学者等にプログラミングさせ、囚人のジレンマコンテストを行った実験。その結果、しっぺ返し戦略が優勝した。本の中では、このしっぺ返しについて論を中心に議論が展開されていく。しかし、ただいつでもしっぺ返しが良いというわけではなく、次に同じ相手と付き合うことがないなら、裏切ったほうが良い、あるいは、いつでもどこでもしっぺ返しが優れているわけではなく相手によって決まる(裏切る個体が多かったから相対的にしっぺ返しが良く見えただけなんじゃないの、という批判には素直にそれに答えるのは難しいと書いてある)等、きちんと勝てない状況もあることを伝えてある点がよかった。また、これらが現実世界に応用できるような感じで事例も盛り込まれていて、読んでいて非常にわくわくしたし、しっぺ返し戦略を真似したくなった。


東大博士が語る理系という生き方


東大を卒業した8人の博士たちの生い立ちや研究内容そしてその情熱が書かれている。読んでいるだけで、この人たちは本当に研究が好きなんだなぁ、ということが伝わってくる。秀逸なのは、科学者をめざす君たちへ、という項目で、8人共通にそれぞれの哲学が披露されている。僕が気にいったのは、第一章のほりべさんという方の文で、「教科書を頼りに地図を描くのではなく、専門的な論文の主張をつないで自分で地図を作り上げなくてはなりません。…(省略)…それでもまだ埋まらない部分を実験によって埋めていくのです」
の部分。まさしく、僕が毎日やっていることだ。しかし、地図作りはとても難しい。本当に難しい。でも少しづつ出来ていくそれが楽しいし、わくわくする。特にこの白紙だった部分はきっと自分の研究で埋められるはず!という感覚を早く論文にして伝えたい。研究って、やっぱり楽しい。わくわくわくわく。
ラベル:書評
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2011年12月15日

人間失格

人間失格。ついに最後まで読んだ。内容まできちんと読みこめたのか分からないが、昔よりは読めた。
無邪気に道化を演じた少年時代。ダメダダメダと自分でも分かっているのにやめられなかった酒と女と薬に溺れた二十代。少年時代に自分を抑え過ぎていたのだろうか、と思う。あまりに巧く道化を演じることが出来たばかりに、誰からも心からの叱咤激励を受けることなく柔らかいまま育ってしまったのではないか。きっと作中にあるように、自己批評を常に繰り返していたのだろう。でもそれが人間失格につながるのか。失格とは何に失格したのか。格を失うと書いて失格。人間としての格とは何か。合格とは何か。少なくとも作中でそれに直接は触れてはいなかった。おそらく、失格とか合格とか、そういうものは自分で決めてしまう類のものだろうと思う。作中では、廃人に自分がなったと周りに思われた、と思った瞬間に、人間、失格、と考えている。何か、こうでなくてはならない、と思っているから失格という考えになるのであろう。やっぱりまだ分からないな。人間とは何だろう。
ラベル:書評
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2011年12月14日

モノの言い方と数学嫌い



自分はよくズケズケと物事を言ってしまうきらいがある。先日それで一つか二つか、あるいは今までずっとか、まぁ損をしているな、と思ったので目に留まったこの本をほとんど衝動買い。いやぁ、こんな言い方があるんだなぁ、まだるっこしいなぁ、と思いつつ自分一人では絶対思いつかないフレーズが満載。丸暗記しようなどは思わないが、たまに読んでいくつかは使えるようにしておこうかなと思う。



今は数学好きの僕だが、中学の時はそれはひどかった。テストのたびに平均点以下ばかりで、自分は数学と縁がないのだな、もういやだ、と毎日思っていた。一度30点台を取ったことがあって、そのときに担任かつ数学教師だったM脇先生に目をつけられた。今思えば愛のムチだったのだが、当時は地獄だった。授業中の質問は僕ばかり狙い撃ちで、数学の授業がいやでたまらなかった。でも、未だに覚えているのだが、あてられる、と思っているだけで授業に集中し、予習もやるクセ(概ね直前の休み時間に)がついた。今統計学を使って研究をしているのは、間違いなくこの先生のおかげだと思う。皆にとても嫌われていたM脇先生だったけれど、僕は尊敬し続けています。ありがとうございました。

それで、どうしてそもそも数学が嫌いだったのかな、ということを知りたいと思って買った一冊。数学嫌いの学生にアンケートをして、なぜ嫌いになったのか事例ごとに紹介している。この事例では、おそらく「解けない問題ばかり出されて嫌いになった」という項目に該当するのかな、と思った。今は解けない問題に挑戦することが好きになっているのだから、人生分からないものである。
ラベル:書評
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2011年12月13日

南極料理人



南極大陸の内陸部で、ペンギンもクジラも細菌も存在しない世界。そこで8人の常駐員のみなさんの生活と少しの狂気、そして美味しそうな料理。この料理というのが、皆美味しそうに食べる食べる。実際美味しいなんて一言も言わないのに、そのがっつきっぷりからそれが伝わってくる。このような閉鎖空間ではきっと食べる、ということが一番の楽しみになるのだろうな、と感じた。1年以上もの間共同生活を送るというのはどういう気持だろうか。肉を焼くのに火力が足りなくてお酒をぶっかけて野外で丸焼きにするシーンが好き。今度小規模なのをやろうと思った。
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2011年12月08日

Money ball

論文がまとまらなくて考えすぎて知恵熱。そして熱はないのに頭痛。うーむ。研究室の人に映画でも観てきたら、と言われマネーボールを観てきた。すっごい空いていた。ラッキー。作中でおそらく二項分布の式が出てきた。統計学的な分析で貧乏チームを連勝チームにするわけだが、当時は統計学で野球をやることはバカにされていたらしい。現状以下の金額や努力量で、同等以上の成果を出す。僕のD論もそのような内容になるのだろうな、とか思いながら観ていた。

同じく研究室の人にもらった10%割引券を使うべく、横浜駅の喫茶店に入る。ハイネケンを飲みながら、パン屋再襲撃を読む。


村上春樹の作品を読むとしばらく心が呆けてしまうので、読む時期を選ぶようにしている。今日はそういう気分だったので読んだ。しかし、どうも昔ほどは呆けなくなっていたし、理油が分からず感傷的になることが減ったようである。それはそれでつまらないが、きっとそういう時期なのだろう。今なら人間失格も読めるかもしれない、と思った。
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