2012年06月14日

種やサイズを選択して漁獲すると漁獲量・資源量・多様性が下がることもある

Garcia, S. et al. Reconsidering the consequences of selective fisheries. Science 335, 1045-1047 (2012).

普通、漁業を行う際は法的な規制や経済的な理由等によって、漁獲対象種とそのサイズを選択して漁業を行う。産卵前に漁獲しないようにし、混獲を避けて対象種だけを漁獲する国際的なガイドラインも決められている。いっぽうで、選択的な漁業を行うと対象種の齢構成の変化や、その生態系の構造や多様性等が変化する可能性がある。それでは、実際にはそれらが変化することでどのような影響が出るのか?ということで、選択的に漁獲した場合と非選択的に漁獲した場合を比較して、漁獲対象種全体の漁獲量、資源量、そして生態系の種多様性に与える影響を調べている。

30の海洋生態系を用いて、それらの海洋生態系の動態を巧く再現するモデルによる解析を行った。魚種やサイズを選択して漁獲した場合と、非選択的な漁獲を行った場合(ただし微小な細菌等は漁獲しない)に分けて、各生態系に含まれる漁獲対象種全体の漁獲量、資源量、種多様性が受ける影響を調べている。その結果、選択的な漁獲によって生態系の種多様性に大きな害を与えないためには、漁獲量を極めて低水準に抑え、経済的な持続可能性を失わなければならないことが示唆された。いっぽうで、非選択的に漁獲を行う場合は、比較的大きめの漁獲率でも漁獲量は高く維持されていた。非選択的な漁獲の中でも、各魚種の資源状態だけで漁獲圧を決めず、他種の取り分も考慮して生態系のバランスを保つ漁獲を行った場合(たぶんこういう解釈だろうと思われる)は、低い漁獲圧で大きな目標を達成していた。

しかし、Supplementaryを読んだだけでは、どういう解析をしたのかが分かりづらく、従ってどのように解釈していいのかよく分からない。例えばProduction と Yieldの違いなんて、僕には良く分かっていないのだが、本文中では使い分けている。使っているモデルのHPでは、Productionが他の生物との関係も入れた生産力で、Yieldが漁業で獲られた漁獲量だと思われたので、そのように解釈したが少し不親切だと思った。

朝4時からやっていたので、17:00には帰宅。夜が長いと何故か不安になる今日この頃。
posted by しばきん at 14:33| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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